医療に欠かせないものの一つに、医療機器があります。
医療機器には、検査・診断及び治療といった医療の現場で使用されるものから、体温計やコンタクトレンズ、絆創膏といった日常生活で使用されるものまで、多種多様なものがあります。
今回は、この「医療機器」についてみてみましょう。
医療機器は、医薬品医療機器等法によって、定義・規制されています。
医療機器については、医薬品医療機器等法では以下のような定義となっています。
ここで、医薬品・再生医療等製品を除き、医療用機械器具、医療用品、歯科材料、衛生用品、それに、診断・治療・予防用プログラム及びプログラムの媒体(医療用プログラムであっても機能の障害によって人の生命及び健康に与えるリスクがほとんどないものは除外)が対象になります。
医療機器も医薬品と同様に、品質と有効性と安全性が求められ、製造・販売の承認といった法的規制を受けます。
医療機器には、そのリスク(人体への危害の程度)による国際的なクラス分類があります。
また、医薬品医療機器等法では、「高度管理医療機器」「管理医療機器」「一般医療機器」に分類されています。
クラスⅠには、日常生活で利用する救急絆創膏やガーゼ、ピンセットといったものもあります。
承認等の扱いについては、以下のようになっています。
ここで、「届出」は医薬品医療機器総合機構(PMDA)への届出、「認証」は第三者登録認証機関による認定(認証機関からPMDAに報告される)、「承認」はPMDAへ承認申請して厚生労働省から承認を受けるものです。
また、医療機器のクラス分類に関わらず、保守点検・修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とするものは「特定保守管理医療機器」としても扱われます。
医療機器の承認区分は、新規性によって以下に分類されます。
事業として製造販売を行うには製造販売業の許可が必要となります。ここでいう製造販売は、自らの製造所で製造した医療機器及び他の製造所に委託して製造した医療機器や輸入した医療機器の国内における販売・授与・貸与、医療機器プログラムの販売や配信を指しています。
製造販売業者は、製品に対する品質、有効性、安全性の管理責任を担い、取り扱う医療機器のすべての法的責任を負うことになります。
医療機器の製造販売業は、扱う機器の種類によって必要な許可が定められています。上位の許可を取得していれば下位の医療機器を扱うことができます。
一方、医療機器の製造業については、製造工程のうち、最終的に品質・性能・安全性に影響を及ぼす製造工程を行う施設を対象とした登録制になっています。
医療機器の販売業・貸与業については、高度管理医療機器及び特定保守管理医療機器(医療機器プログラムのオンライン提供も同じ)に対しては許可が必要です。
管理医療機器(特定保守管理医療機器を除く)の販売・貸与については、届出制になっています。
尚、一般医療機器の販売についての規定はありません。
医療機器の修理を行うには修理業の許可が必要です。
ここで、修理というのは、医療機器の故障、破損、劣化等の箇所を本来の状態、機能に復帰させること(オーバーホールを含む)で、医療機器の清掃、校正(キャリブレーション)、消耗品の交換等の保守点検は含みません。
医療機器は医療技術を支える重要なものです。
医療機器の品質・有効性・安全性に関与する開発及び市販後のプロセスには、医薬品と同様の薬事規制がかかっています。
私たちの健康に大きな役割を担う医薬品、そして医療・ヘルスケア。
そうしたQOL(Quality Of Life)産業界全般にわたって、そのプロセスや情報を支えるITを介して、
日立医薬情報ソリューションズは人々の健康・QOL向上に貢献していきます。
2023年09月08日
吉田 亜登美
Contact Us